前回のベイビーステップ③では
- 「シンク磨き」
- 「身だしなみを整える」
ふたつの新しい習慣を、小さく初めて続けていくことを紹介しました。



今回のベイビーステップ④は新しい習慣を、生活に定着させる方法について提案します。





以前、携帯アプリのリマインダーを使ったけど効果ありませんでした。
自分には大切なことなのに、つい後回しにして日々の生活の中で埋もれてしまうんですよね。






定着させる方法が分かれば、習慣化の効果は3倍にもなりますよ
行動の習慣化ツール①付せん



付せんは英語で” sticky notes”あるいは”Post-it”といいます。
今から40年ほど前に、米国企業の3Mにより販売されました。
今ではデザインも豊富で、仕事や学習、家事にも欠かせないものになりました。
フライレディでは、どんな使い方を提案しているのでしょうか?
フライレディでの「付せん」の使い方
ベイビーステップ④の中では、次のように付せんを使います。
- 「シンク磨き」「身だしなみを整える」をそれぞれ付せんに書く
- 「シンク磨き」の付せん→キッチンに貼る
「身だしなみを整える」の付せん→洗面化粧台に貼る
以上、これだけです。
3分とかかりません。
なぜ、この付せんの貼り方に効果があるのでしょうか?
「付せん」が習慣に与える効果
普段、付せんを使う時には「覚えていたいこと」を書くことが多いと思います。
しかし、それらの付せんをどこに貼るべきか「場所」についてまでは、あまり考えたことはないのでしょうか?
フライレディでは付せんを貼る場所を
- 「シンク磨き」はキッチン
- 「身だしなみを整える」は洗面化粧台
とそれぞれ指定しています。
つまり、とるべき行動と場所がリンクしています。
このように
「Aという状況の時には、Bという行動をとる」というような具体的なアクション計画を「実行意図」と呼びます。
本来、この実行意図の書き方は
私は「いつ」「どこで」「何を」する
(例) 私は「午後3時」に「公園」を「20分歩く」
という書き方になります。
しかしフライレディの付せん使用の提案では、場所も時間も指定する必要がありません。
「いつ」「どこで」の部分は、既に実行されています。
自分の意思をはっきりしたうえで行動すると、習慣を続けられる確率が高くなります。
こうすることで、習慣を続けることができる効果が2~3倍にも高くなるそうです。
しかしこの方法には、ひとつ注意していただきたい点があります。
一度に複数の行動を実行しようとしないことです。
例えば、
- 「シンク磨き」に加えて「コンロ掃除」と書かれた付せんを貼る
- 「身だしなみを整える」に加えて「デンタルフロス」と書かかれた付せんを貼る
行為の対象を複数にしてしまうことで、やる気が低下し、成功する確率も低くなってしまいます。
また、『ベイビーステップ③極小アクションが習慣化のコツ』でも紹介したように、
- 洗ったお皿を1枚拭く
- 洗面化粧台の前に立つ
くらい小さなところから始めてみてください。
行動の習慣化ツールその②チェックリスト



フライレディでは、チェックリストを用いることも提案しています。
チェックリストを作る目的は、
- リマインダーとして使う
- リストを見て、漏れがないかチェックする






早速、例を見てみましょう
チェックリストの例・モーニングルーティン編
このチェックリストに含まれるのは
- 既に生活のルーティンとなった行動
- その日にしなければならないこと
の2点です。
以下はフライレディ創始者であるマーラさんのモーニングルーティン一部です。
モーニングルーティンは自動的に行われますが、チェックリスト化すると以下のようになります。
- 起床
- ベッドメイク
- バスルームで体重を計る
- シャワー
- 身だしなみを整える
- ベッドルームのバスルームをサッときれいにする
- 洗濯機を回す
- コーヒーを入れる
- 朝食






ちなみに、私の朝食までのモーニングルーティンは以下の通りです。
- 起床
- 身だしなみを整える
- 白湯を飲む
- お弁当用意
- トイレ掃除
- ベッドメイク
- 洗濯機を回す
- 家族の見送り
- 朝食
こうした習慣をチェックリスト化できるようになるまでには、時間がかかります。
こうしたルーティンは、短い時間で確立されるようなものではないからです。
しかし、ルーティンを組みやすくする方法があります。
習慣を積み上げてチェックリストを作る
人の行動は意識しなくても、サイクルに基づいて行われています。
どんな行動も、次の行動の引き金になります。
例えば
携帯に通知音がなったので画面を見る
↓
画面を見たら、電池量が少なかったので充電する
↓
充電しながら画面を見る
という具合です。
新しい行動を、現在の習慣の流れに挟んであげることで継続しやすくなります。
この方法は既に述べた、付せんを用いるやり方のもう一つの側面です。
なぜなら、毎日必ずキッチンと洗面化粧台には立つからです。
例えば「シンク磨き」の習慣は
- 夕食後にお茶を飲む
- お風呂
という習慣があれば、
- 夕食後にお茶を飲む
- シンク磨き
- お風呂
と新しい習慣を挟んで、新しい習慣のブロックを作ります。
あるいは、夜遅く帰宅してから食事をする家族がいれば、翌日の朝に
- 前夜と朝食の片付け
- シンク磨き
- 洗濯など…
と組み合わせてもいいでしょう。
先ほどのマーラさんの基本のモーニングルーティンも、細かくすると3つの習慣を一つのブロックにして行っています。
- 起床
- ベッドメイク
- バスルームへ行く
- 体重を計る
- カレンダーをチェックする
- シャワー
- 服を着る
- 化粧と髪型を整える
- バスルームをサッときれいにする
- ビタミン剤を取る
- パソコンを立ち上げる
- 紐靴を履く
- 洗濯
- コーヒーを飲む
- 床にモップをかける
- 食洗器を空にする
- 夕食のメニューを決める
- 朝食を食べる
という具合です。
こうした小さな習慣のブロックを大きくしていくことで、モーニングルーティンが出来上がります。
マーラさんは、ここまでおおよそ20分で終わるそうです。





速いですね!
こんなにもスムーズにモーニングルーティンを終わることができるには理由があります。
それは前の晩に「寝る前のルーティン」で段取りを済ませているからです。
朝起きてから、細々したことに煩わされなくてもよくなります。
ちなみにフライレディでは
と伝えています。
また、こうした付せんやチェックリストは「コントロールジャーナル」と呼ばれる、フライレディの家庭運営マニュアルの基礎となります。
まずは、現在の習慣の間に挟み、ひとつのブロックを作るところから始めてみてください。
まとめ
今回は、新しい習慣である「シンク磨き」「身だしなみを整える」を生活の中に定着させていく方法を紹介しました。
今まで習慣をというのは、いつの間にか身につくものだと思っていました。
しかし、取り入れたい習慣を意識して定着させるということも可能なのですね。
- 付せんを使うことで新しい行動を習慣化<実行意図>
- チェックリストで習慣のブロックからルーティンにする
ご自分の生活のリズムに合うポイントで、取り入れてみてください。
読んでいただきありがとうございました。
お役に立てれば幸いです。
参考文献:
James Clear, The Scientific Argument for Mastering One Thing at a Time
ジェームス クリア, 複利で伸びる1つの習慣
BJフォッグ, 習慣超大全
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