前回のフライレディのベイビーステップ④では、付せんを使って習慣化することを紹介いたしました。



今回ご紹介するベイビーステップ⑤は「完璧主義をやめてみる」についてお話します。







完璧な家事を目指してベイビーステップも頑張ってますよ♪付せんも買い込みました。ところで「完璧主義をやめる」って、どういうことですか?自分の行動と矛盾する気がします。
完璧主義者には以下のような特徴が見られます。
- 全ての物事が上手くいくようにするための努力を惜しまない
- 高過ぎるくらいの目標基準を設定
- 自分に対して常に「まだまだ」と厳しい自己批判をする
- 他者からの評価がとても気になる







これって、別に悪いことではないですよね?




はい、完璧主義は必ずしも悪い面ばかりではありません。
例えば、日本の工芸品などに見られる細部の緻密さなどには、この完璧主義が良い形で表れています。
また、多くの人の安全に関わる業務(輸送や建設関連)では、完璧主義が逆に求められます。
しかし、こうした特別なケースを除いて、完璧主義が日常生活でプラスに働くことは少ないのです。
やめてしまいたい!こんな完璧主義



完璧主義者が取りがちな行動
どんな人でも多かれ少なかれ、完璧主義の傾向を持ち合わせています。
特に日本人は、他の国の人に比べてその傾向が強く出ているようです。
完璧主義が強くなると以下のような行動や考え方を取りがちになります。
- 髪型やファッションが決まらないと、一日中ずっと気になる
- 優先順位がつけられない
- 他人に厳しくなってしまう
- やろうと思っても実行に移せない
- 仕事などを他の人に任せられず、抱え込む
- 過去の失敗や挫折を引きずってしまう
- たまにSNSのアカウントをリセットしたくなる
- 完成度の高さを求めるあまり、生産性が低くなる
誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか。
フライレディにとって完璧主義とは
フライレディ創始者のマーラさんはこう言います
完璧主義が主な原因で、自分の家がこんな(ひどい)状態になってしまうことがわかりました。
完璧主義こそが憂鬱に感じたり、物事を良くすることから遠ざける理由なのです。
家事に完璧主義を反映させてしまうとどんなことが起こるのでしょうか?
- シンクを磨くことができないのよ。だって食洗器がもう一杯なんだもの
- 明日の朝に着る服を用意できないの。だって洗濯してないんだもの
- 完璧でないと、やる意味がないでしょ
- モーニングルーティンを決めてからでないと、始められないわ
- 掃除機をかけるだけで1時間もかかるのよ
- まずは新しい化粧品を用意しないと…
- 新しい家に引っ越したら始めようかな。この家じゃモチベーションが上がらないもの
- 身だしなみが整った服装を決められないから、ジャージでいいか…
ありとあらゆることが、フライレディを始めない理由になってしまっています。
完璧主義者は、物事を先延ばしにすることが得意なのです。
完璧主義をやめられない理由



では、完璧主義に陥ってしまう原因には何でしょう?
この理由は主に2つあります。
- 育った環境による影響
- SNSなどの普及による影響
「何事も完璧に仕上げなければ、やらない方がいい」
私たちは、幼い時からこの言葉を聞いて育っています。
両親や先生など、幼年期の影響が大きい人たちが繰り返せば、意識に深く刷り込まれてしまいます。
完璧主義は「洗脳」と呼んでもいいかもしれません。
また、SNSを通じて、他人の生活が簡単に垣間見えてしまう時代になりました。
自分の生活を他人とついつい比べることで、自分にダメ出しをしたり落ち込んだり。
また、これまで広く受け入れられていた生き方の物差しが、見直されています。
自分のあり方がわからず、ストイックに完璧を目指してしまいます。
完璧主義をやめて「最善主義」にシフトする










私、いつだって完璧でなければ意味がないと思っていました
有名な芸術家であるサルバドール・ダリは、完璧主義について次のような言葉を残しています。
Have no fear of perfection, you’ll never reach it.
(完璧さについては心配無用だ。そこには到達できっこないんだから)
そうです。
この世の中に「完璧」というものは存在しません。
存在しない状態を目指すということは、とても非現実的なのです。
大切なのは、現実を受け入れて「最善主義」で行動することなのです。
完璧主義と最善主義の違い
以下に完璧主義と最善主義の違いをまとめてみました。
完璧主義は理想の人生シナリオを追求する一方、最善主義は現実に即した生き方をします。



また、完璧主義者は上手くいったときに「自分のおかげで~」と恩着せがましい態度を取る傾向があります。
なぜなら、高く設定された目標が達成されたときに、過度な評価を他者から求めるからです。







周りにも、こういう人いるなぁ
どちらの主義が生きやすいのかは、一目瞭然です。
家庭生活というのは、現実を無視しては成り立ちません。
この点において、フライレディではこう言います。
「完璧主義」の失敗談
頭ではわかっていても、完璧主義は無意識に行われていることがほとんどです。
自分のこれまでの人生を振り返って
「これは完璧主義だった」
と思うのは以下のような行動です。
- 重要なメールでなくても、内容を吟味しすぎて送信が遅くなる
- まだ準備不足だと考えて、提出物の締め切りギリギリまで作業をしてしまう
- 他人に仕事を任せるよりも、自分がやった方が確実だと考える
- 提出物の確認作業が念入りになりすぎる。
- 他者に小さいことでもダメ出しをしてしまう
主に仕事面について書きましたが、完璧を求めると生産率が低くなります。
そして、細かいことにこだわると「木を見て森を見ず」というような状況に陥ってしまいます。
完璧主義をやめる具体的な方法



では、どうしたら完璧主義を手放せるのでしょうか?
- 結果のみを追求するのではなく、過程を楽しむ
- 失敗や障害のない人生はありえないことを受け入れる
- こだわりすぎている自分に気づく
- 「頑張ってるね」と自分をねぎらってあげる
- 完璧でない自分を責めない
急に最善主義にシフトできなくても、無理はありません。
少しづつ、肩の力を抜いて「私、完璧を目指してない?」と自問するところから始めてください。
まとめ
私も最初にフライレディを始めた時、家事ルーティンを阻む意外な黒幕?が完璧主義だとは思いもよりませんでした。
無意識に自分たちをコントロールしている完璧主義は、最善主義の満ち足りた人生を遠ざけてしまいます。
気持ちに余裕を持ち、リラックスして物事の過程を楽しみたいですね。
読んでいただきありがとうございました。
お役に立てれば幸いです。
参考文献:
タル・ベン・シャハー, ハーバードの人生を変える授業
コスモポリタン, 完璧主義はやめられる!人生が楽になる10のメソッド
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