日本ソムリエ協会による例会セミナー [B]基礎比較テイスティング
先日、初めて日本ソムリエ協会による例会セミナー に参加しました。
定員60名のところ、満席でした。
非会員ですと参加費6,000円が必要となりますが、会員は無料。セミナー時間は2時間です。
ワインの個性や特徴を捉えるためには、まず「違い」を知ることが大事。品種や産地はもちろん、似て非なるワインをブラインドで比べながらテイスティングする事で、それぞれの個性や特徴を浮き彫りにする比較テイスティング。基礎の違いから応用まで、丁寧に分かりやすく解説して行きます。(日本ソムリエ協会)
具体的には以下の内容で、ブラインドテイスティングを行いました。
- 品種が同じ白ワイン:3タイプ
- 品種が同じ赤ワイン:3タイプ
- 赤ワイン :2タイプ
口に含んだワインを出すための紙コップが配られなかったこともあり、セミナー途中から顔がほんのりピンク色になった方も多く見られました。
残念ながら、出されたワインの品種名とテイスティング詳細を述べることは禁止されております。
参考になるかわかりませんが、ワインの画像と、わたしの一言コメントをブログの最後に載せております。








雰囲気を感じていただけたら、嬉しいです。
【目から鱗】一流ソムリエのワインテイスティングは自由で懐が深い
セミナー講師は、日本を代表するソムリエの一人である佐藤陽一さんでした。
2007年には、脳科学者の茂木健一郎さんとアナウンサーの住吉美紀さんがキャスターのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合テレビ) に出演されたこともあるようです。
このブログではセミナー中の佐藤さんのお話、2点についてまとめています。
ワインテイスティングは個人の食事習慣に左右される



セミナー冒頭、佐藤さんは、こんなことを言いました。
セミナー講師のワインに対するコメントがすべてではない。一番大切なのは、自分の意見
佐藤さんのような一流ソムリエのコメントでしたら、「彼が言うんだから間違いない」と思考停止して受け入れてしまいそうになります。
しかしそれは、ワインの個性を無視し、自分の感性の放棄することにほかなりません。
テイスティングは単なる確認作業になってしまい、期待やワクワク感がなくなってしまいます。
セミナー中に、佐藤さんが例としてしてあげていたのが「スパイシー」という味わいに関するご自身の経験でした。
異なる国のソムリエたちとのテイスティングの場で、ご自分はスパイシーと表現したところ、オーストラリアの方は、そう感じなかったそうです。
これは、オーストラリアの食事は日本よりスパイシーであるため、スパイシー感の基準が違ってくるのだそうです。
また、パンのような香味を感じた場合の表現は、それがクロワッサンでもパンケーキでもかまわないのだそうです。



言語化の違いなだけなのだそうです。
何か例えをあげるとき、普段目にするもの、口にするものが真っ先に頭に浮かんできます。
つまりテイスティングは、個人の食事習慣に大きく左右されます。
各国のソムリエたちとともに切磋琢磨してきた方だからこそ、実感として出てくる言葉なのでしょう。








白ワインに赤・紫系のフルーツの表現は、さすがに受け入れられないかと思いますが、臆せずコメントをする勇気をもらえる言葉でした。
ワインのもつスピード感に注意を払ってみる



佐藤さんのテイスティングコメントで印象的だったのが、ワインの粘度によるスピード感を意識されている点でした。
ワインを「速い」「遅い」という観点から見ているのは目からウロコでした。
似ている表現ですと、質感の「さらり」「とろり」でしょうか。
「さらり」は速く、「とろり」は遅いですよね。
このスピード感はワインにとどまらず、ペアリングする食事についても意識されているようです。
口の中の食べ物がなくなるまでの速さ
食べ物自体のもつ質感
食事とワインのスピード感をそろえてあげれば、ペアリングが簡単に整います。
冒頭で述べたNHKの番組内では、佐藤さんは30種類のワインを持ち込み、キャスターそれぞれに合うワインを選んだそうです。
住吉美紀さんに選んだのは…
選んだのは、フランス・ブルゴーニュの赤ワイン。果実の甘いニュアンスと、スミレの清涼感のあるワイン。ワインを選ぶときに見るのは、話し方や動きなどの「スピード感」だと佐藤は言う。住吉アナウンサーの場合は、全体から醸し出される若々しい雰囲気に合わせて、このワインを選んだ。
一方、茂木健一郎さんはというと…
南アフリカの白ワインをチョイス。忙しい茂木さんに合わせて、重い・たる・甘いワインは避けて選んだ。このワインは、飲んだ時、「この味は何だったか?」と、飲む人を思わず立ち止まらせる力があると言う。
やはり、キャスターの方たちのもつスピード感に注目しながら、ワインを見極めていますね。
ブラインドテイスティングはやっぱり楽しい
最後に、画像とわたしの一言コメントを紹介します。











この品種、なんて変幻自在なの!ワイン界のカメレオンだわ











こちらの品種は予想しやすかったけれど、スケール感に違いがありました。生き物に例えるなら金魚や鯉かな?











口に含むと、槍をもった騎馬隊が突然現れ、暴れまわりました。こってりした赤いお肉の料理でやっつけたくなります。
読んでいただき、ありがとうございました。
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